カワセミです!
せどり・転売と言えば代表的な副業の一つで、「これから始めたい!」「始めました!」という人も多いんじゃないかと思います。
ただそんな人にこれだけは知っておいてほしい、法律違反になる可能性のあるせどり転売の種類・方法を7つまとめました。
ご存じの通り、転売・せどり自体は犯罪ではなく、違法性もありません。
ただ、中には違法になるもの、条例違反になるものがあるという事です。
特に副業で行う場合、こんなリスクを取ってまでやるべきではないので、これから始める人は注意が必要ですし、もしやっているなら今すぐやめるべきです。
ただ、ここで具体的な法律違反を紹介しているのは、一歩踏み出そうとしている人の不安をあおりたいわけではなくて、むしろ「正しく恐れる」ことが必要だと思っているからです。
副業といえど正しくリスクヘッジを行い、余計なリスクを冒すことなく気分よく行いたいですよね。
それぞれを「適用される法律や条例」、「具体的な転売行為」、「罰則(ペナルティー)」の視点から解説していきます。
7つ紹介している順番は、僕の主観で個人的にリスクが高いと思う順番に並べています。
一概に法律違反と言ってもその悪質性や内容によって書類送検や逮捕、起訴となる可能性や程度というものは異なってくるからです。
とはいえ、いずれも法律違反に該当するのでどれもやるべきでないことは言うまでもありません。
この記事の目次
①:チケットの不正転売
まず1つ目はチケットの不正転売です。
関連する法律は「チケット不正転売禁止法」(正式名称は「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」)です。
これはニュースなどでも話題になったので知っている人も多いと思います。
規制の対象は特定興行入場券の不正転売です。
違反した場合には「1年以下の懲役、100万円以下の罰金、またはその両方」が科せられます。
定義がすごく長いのでかみ砕いてざっくり説明します。
特定興行入場券というのは、興行(映画,演劇,演芸,音楽,舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツを不特定又は多数の者に見せ,又は聴かせること(日本国内において行われるものに限る。))の入場券のうち、3つの要件をすべて満たすものです。
3つの要件は「有償譲渡を禁止する旨が券面や端末のチケットの映像面に明示されていること」、「日時及び場所並びに入場資格者又は座席が指定されたものであること」、「販売時に入場資格者・購入者の氏名、連絡先を確認する措置が講じられていて、その旨が券面に明記されている」です。
かみ砕いてもややこしいですね。
言ってしまえば、一般的なコンサートチケット、スポーツ観戦チケットなどは普通は該当します。
不正転売の定義ですが、これは興行主の販売価格を超える価格(定価より高い価格)での”業”としての販売です。
じゃあ不正転売に該当しないケースというのは、興行主が同意している正規(公式)のリセールサイトでの定価以下での販売、または、最大のポイントですが、”業”としての販売に該当しない転売です。
業に当たるかどうかの判断基準は、「反復継続性」が重要になってきますが、ここに明確な基準がないためケースバイケースなのでなんとも言えません。
数回であっても業と認定されることは十分にあり得るという事です。
定義の説明で長くなってしまいましたが、このチケットの不正転売はものすっごくリスクが高いです。
なぜかというとダフ屋行為の規制からこの法律の施行につながっているからです。
もともとダフ屋行為は都道府県の迷惑防止条例で禁止されています。
ダフ屋が禁止される理由はいくつかありますが、一番大きいのは「反社会勢力の資金源になりやすい」というところでしょう。
ただ、迷惑防止条例だとインターネット上での取引に抜け穴があったんですね。
それを埋めるための法律という事です。
チケット不正転売は社会的な注目が高いところでもあり、実際にいくつも逮捕事例がありますね。
野球の観戦チケット、宝塚のチケット、嵐のコンサートチケットの不正転売などで書類送検や逮捕者が出ています。
・チケット不正転売禁止法で初逮捕 野球チケット高額転売の疑い
長くなりましたが、まとめると「副業でのチケット転売は限りなくリスクが高いのでやめましょう」という事です。
②:偽ブランド品の転売
2つ目に偽ブランド品の転売です。
これは「詐欺罪」、「商標法違反」に該当する可能性があります。
もう説明が不要なくらいに転売でやってはダメな行為です。
明らかにダメだとわかるので2番目に持ってきましたが、当然にこれをやった場合のリスクは高いです。
知っていて偽物のブランド品を売っていれば「詐欺罪」や「商標法違反」で捕まりますし、メーカーやブランドから損害賠償請求される可能性があります。
詐欺罪の場合10年以下の懲役、商標法違反が成立した場合には10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金又はその併科となります。
めちゃくちゃ罪が重いですよね。絶対にやらないようにしましょう。
ちなみに「偽物と知らずに」販売をした場合、故意ではないので罪には問われませんが、これを副業でいくつも出品していた場合には「無過失」とはいえず罪に問われる可能性も出てきます。
副業でブランド品を扱う場合には、よほど真贋鑑定に自信がある人以外は避けた方がよい分野だと僕は思います。
③:医薬品の無免許販売
3つ目に医薬品の無許可販売があります。
「医薬品医療機器等法」(薬機法)が関係してきます。
医薬品や医療機器を販売するためには医薬品販売業の許可が必要ですが、フリマなどを見ていると医薬品と知らずに意外とやってしまいがちな分野かなと思います。
製品表示やパッケージに「要指導医薬品」、「第1類医薬品」、「第2類医薬品」、「第3類医薬品」、「体外診断用医薬品」等と記載があるものは医薬品に該当します。
間違って出品しやすいものとしては、漢方薬、湿布薬、妊娠検査薬などがあります。
これらは医薬品に該当するので無許可で出品する音は出来ません。
一方で、国内製の医薬部外品や化粧品は規制の対象外です。
医薬部外品はパッケージに「医薬部外品」、「指定医薬部外品」、「防除用医薬部外品」等と記載されています。
医薬部外品と書かれているビタミン剤や制汗剤などはOKという事ですね。
もう1つの医療機器の方ですが、一般医療機器を除く医療機器の販売には許可が必要です。
医療機器には、高度管理医療機器、特定保守管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器の区分があります。
これらは製品本体やパッケージに記載されています。
誤って出品しやすいものとしては、家庭用マッサージ器、コンタクトレンズ、カラコン、ピアッサーなどがあります。
これらの医療機器は無許可で販売することはできません。
無許可での医薬品、医療機器の販売に関しての罰則は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、又はその併科となります。
④:種の保存法で規制されている剥製などの販売
4つ目に剥製など「種の保存法」の対象となる動植物があります。
種の保存法では、国内に生息・生育する、又は、外国産の希少な野生生物を保全するために必要な措置を定めていて、これに該当する動植物を無許可で販売することはできません。
一番ありがちなのは、象牙や象牙の加工品ですね。
後は虎やヒョウ、ウミガメの剥製とかですね。
違反した場合の罰則は個人の場合で5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金又はこの併科です。
実際に書類送検された事例も出ています。
・オオカミの剥製、ネットオークションに出品 保存法違反疑いで沖縄県内初摘発
この法律自体があまり知られていないので、特に家の不用品処理などの時にやってしまいがちかと思いますので気を付けてください。
⑤:お酒の無免許販売
5つ目にお酒の無許可販売があります。
酒税法が関係してきます。
お酒を販売するには「酒類の販売業免許」が必要とされるため、無免許で販売することはできません。
罰金刑が適用されたケースもあるようです。
ただ、「不特定多数に反復継続」でない場合などには免許は不要です。
自分で飲もうと思って家に置いてあったものが不要になったのでオークションで売る場合などはOKという事です。
しかし、実際にはオークションを覗いていると高値での出品はいくらでも見つかります。明らかに複数を継続的に出品している人もいます。
先ほどの罰金の事例もリサイクル業者に対してのもので、僕は個人が摘発されたというニュースは聞いたことはありません。
ただし、例によってこの反復継続性の判断には具体的な基準がないため、いつ摘発されてもおかしくはなく副業で行う場合は難しいと考えられます。
違反した場合の罰則は1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
⑥:マスクの転売
6つ目にマスクの転売があります。
国民生活緊急安定措置法が関係してきます。
これはバンバンニュースにもなって注目度も高いのでご存じの方の方が多いと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスクの転売が問題となり、この転売行為に規制をかけるものです。
対象となるのは小売店などから購入したマスクを定価よりも高い金額で不特定多数の人に販売する場合です。
物価の高騰又は高騰の恐れがある国民生活と関連の高い物資を政令で指定して、標準価格を設定したり、譲渡の制限や禁止を定めているもので、物価が安定すれば指定が解除されます。
過去ではオイルショックの際にトイレットペーパーなどが指定され現在は指定解除されています。
2020年5月現在ではもちろんマスクの指定は解除されていません。
違反した場合の罰則は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金です。
⑦:中古品の無免許販売
7つ目に中古品(古物)の無免許販売があります。
古物営業法が関係してきます。
これに関してはせどり転売に最も関係するところなので、こちらで別記事にしています。
ぶっちゃけ古物商の免許を取っていなくて中古品を反復継続的に販売している人なんてたくさんいて、その人たちが逮捕されたとかいうニュースは聞いたことがありません。
チケット不正転売禁止法が成立する前に、おそらくチケット転売を取り締まる目的で古物営業法違反の疑いで逮捕されたケースはありました。
古物営業法の趣旨が盗品の流通防止であることから、現状ではよっぽど運悪く盗品を購入してしまって、それが事件化するようなケースでなければ問題になことはないと思われます。
ただ、僕は「中古せどりをするなら絶対に必要」と考えています。
そもそもあとちょっとの幸せのために副業にチャレンジしようとする人が、そのあとちょっとのために今の生活をこのようなリスクにさらすべきではないと思うからです。
精神衛生上良くないので、念のためでも古物商のライセンスはしっかりとってリスクヘッジするべきです。
違反した場合の罰則は3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金又はその併科です。
ーー2020年6月追記ーー
そんなことを言っていたら、なんと2020年5月にファッションブランド「コム・デ・ギャルソン」の社員が、古物商の免許を持たずに自社の中古古着を転売したとして書類送検されるニュースがありました。
フリマで仕入れて、古着屋やネットで売っていたのでいわば普通の転売です。
これはかなり衝撃的ですよね。
「おいおいおい、これで書類送検されちゃうの?」って思っている人がたくさんいると思います。
フリマで古物商の免許を持たずに、転売をしている人なんて大勢いるので、これがダメならネット上のかなりの取引がダメになってしまいます。
あくまで個人的な見解ですが、今回のケースで書類送検された理由は次の3つのどれかかなと思います。
①盗品を誤って仕入れていた
古物営業法の法の目的は、盗品の流通防止と流通した際の早期対応を可能とすることなので、今回この人がネットで仕入れたものに盗品が混じっていて、警察の捜査中に流通経路としてヒットしてしまった可能性があります。
そして、古物商のライセンスを持っていなかったために書類送検されてしまったというストーリーです。
②会社から警察に訴えがあった
コム・デ・ギャルソンの社員が、コム・デ・ギャルソンの古着を扱っていたケースなので、この可能性が一番高いと思っています。
会社がネット上で自社商品を繰り返し売買している社員がいることを発見して、顧問弁護士を通じて警察に相談したというところでしょうか。
③純粋に古物営業法違反
純粋に古物営業法違反で書類送検されたとしたらすごい確率ですし、ものすごく運が悪いと思います。
そのため、あるとしたら古物商ライセンスを取らずに取引している人たちへの見せしめとして、「古物商とれよ」ってことが考えられますが、個人的には可能性は低いんじゃないかと思っています。
このように、僕はコム・デ・ギャルソンの社員がコム・デ・ギャルソンの自社商品を転売したから目を付けられちゃったパターンだと思っています。
ただ、こんなことを考えて心配しなくてもいいように、保険の意味合いも含めて、やっぱり古物商のライセンスは取っておいた方がいいと改めて思いました。
ーー追記おわりーー
まとめ
今回は、法律違反になる可能性のあるせどり転売の種類・方法を7つを紹介しました。
紹介した以外にも例えば一時はやった「フリマでの現金出品(クレジットカード現金化)」など法律違反は他にもありますが、この7つは重要性が高くまた間違いやすいものを選びました。
復習すると以下の7つです。
- チケットの不正転売
- 偽ブランド品の販売
- 医薬品の無免許販売
- 種の保存法違反の取引
- お酒の無免許販売
- マスクの転売
- 古物の無免許販売
繰り返しになりますが「正しく恐れる」ことが重要だと思っています。
この記事が何かの参考になれば幸い。それでは!
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