カワセミです!
当ブログでは「気分よく、楽しんで、資産形成をする」をモットーに記事を書いています。
資産形成をテーマとしているので、どうしても稼ぐ方に偏りがちなのですが、実際には倹約・節約によって資産の増大を図ることの重要性は計り知れません。
いくら稼いでもその分浪費してしまえばお金は貯まりませんし、稼ぐよりも使わないことの方がある意味でずっと楽です。
なるべく小さなストレスで普段の生活をコンパクトに、家計をスリムにすることが出来れば稼ぐ以上に大きなアドバンテージになってくれます。
ただそのために重要なのは、「なんで」この費用を節約するのか、「なんで」これにお金を使うべきではないのかという理由の部分です。
「なんで」っていうところを大事にしないとなかなか節約は続きません。
よく納得できないまま何となく節約を続けると余計にストレスがたまりますし、家計のスリム化の遠回りです。
その「なんで」の部分をいつもよりちょっと深堀りして、納得して節約するというのが趣旨です。
今回は銀行振込の手数料・ATM手数料を払ってはいけない理由について書いていきます。
先にその「なんで?」の答えを言ってしまえば以下の3点です。
- その手数料に価値はある?
- 比率(%パーセント)で考えるとまさに浪費
- 払わなくて済む方法があるから
それでは順番に説明していきます。
この記事の目次
①その手数料に価値はある?
まず「なんで」手数料を払ってはいけないかという理由の1つ目ですが、その手数料にはそれに値する価値がないからです。
価値の基準は人それぞれですが、少なくとも僕はそう思っています。
この1つ目の理由は仕組みの問題なので、手数料を考えるために、銀行の儲けの仕組みについて簡単に考えてみましょう。
銀行の儲けの仕組みを考えてみよう
銀行、特にメガバンクの行っている業務は多岐にわたります。
個人・法人に対する金融サービス(預金、貸付、送金など)の提供、グローバルバンキング、為替・証券などのサービス、アドバイザリー、金融商品仲介・・・・などなど。
ことお金を動かす多くの場面で業務をしています。
ただ、われわれ個人に深く関係するところだけでざっくり言ってしまうと、銀行は個人から預かったお金(預金)を使って、企業や他の個人にお金を貸し付けたり、サービスを提供して利ザヤや手数料を稼いでいるという事です。
つまり他人のお金を使って儲けているってことですね。
しかもご存じの通り我々預金者の預金金利は雀の涙なのに対して、銀行の運用(貸付や投資など)の利率はその何倍にもなるためかなりの儲けです。
利率で見ると預金金利は0.1%、運用金利は2%みたいなイメージなので、利率にするとそこまで大きくないんじゃないかとと感じるかもしれませんが、取扱額が膨大なので、金額に直すと儲けも何千億にもなってくるという事です。
このように他人から集めたお金で商売をすることを基本としている銀行ですが、我々は預金者であるとともにATMの利用や振込を行うサービス利用者でもあるため、サービス利用料は取りますよという事でATM利用手数料や振込手数料を払っているわけです。
ただ、「なんで自分のお金を下ろしたり、振り込んだりすることになんでそんな手数料がかかるんですか?」という根強い不満はあるという事です。
40年間変わらなかった送金手数料
「いやいや、そうは言ってもシステムの維持管理費や行員のお給料、ATMの維持費とかインフラにはお金がかかるんですよ~。」
「だから、インフラの維持費としてご負担いただいているんですよ~。」
「なんで自分のお金を下ろしたり、振り込んだりすることにこんなに手数料がかかるんだ?」という批判に対して、銀行側の言い分としてはこういったものが常套句です。
確かにそれには一理あって、銀行のインフラ、特に全銀システム(全国銀行データ通信システム)は導入当時は画期的なシステムでした。
銀行間の送金決済システムネットワークで、このシステムのおかげでオンライン上での即時処理が可能となり、我々利用者にとってもスピーディーでスムーズな振込サービスを利用できるようになったからです。
1973年に稼働を開始して、改定が繰り返されて現在では第7次のシステムとのことです。
「そんな便利なシステムなら手数料高くても仕方ないですよね~。」
と思われるかもしれませんが、問題は銀行のシステム利用手数料が40年以上もずーっと固定されてきたことです。
銀行がそのシステムを利用する際には、3万円未満の送金は1回117円(税別)、3万円以上は同162円(税別)の送金手数料が相手先の銀行に支払われておりこの金額はずーっと固定でした。
導入から現在までAIの進歩やインフラの発達、コスト管理によるコスト削減など銀行内での事務処理にかかる費用が削減できたとしても、この手数料はずっと各銀行横並びで固定されてきたという事です。
送金相手の銀行からしたら、事務処理コストを大きく上回る手数料をもらえますし、銀行横並びの手数料ならどこも損はしないですからね。
そして、その送金手数料に上乗せをさせる形で我々の振込手数料は決定されてきたのでおいしい商売ですよね。
そんな送金手数料ですが、2021年の春くらいに、40年以上ぶりに値下げ(個人の振込手数料も値下げの予定)されることが決定されてかなり大きなニュースになりましたね。
読売新聞|40年以上も固定、銀行間の送金手数料が値下げへ…個人の振込手数料も引き下げの見通し
こういったニュースを見るまで、手数料って高かったんだという認識がない人も多かったんじゃないでしょうか。
さらに言ってしまうと、そのインフラがあるから、便利だから、みんな預金をするわけで、預金を集めるための側面もあるのだから利用者に転嫁するなよ・・・という意見も根強く存在するわけで、やっぱり僕は銀行の振込手数料やATM手数料に我々個人がお金を払う事は非常にもったいないことだと思っているのです。
失い続ける利便性
これは、先ほどの送金手数料の引き下げとも関係してくるところもあるのですが、我々個人が得られる利便性ってある部分では失われ続けていたりするんです。
メガバンクを使っていてネットに疎い場合には特にです。
例えば、有人店舗やATMの数は平成になってから減り続けていますし、「紙の通帳を新しく発行する場合には手数料がかかります。」なんて言う話も出てきました。
なぜかと言えば、インフラや紙の通帳の発行管理にはコストが多くかかり、一方で日本は人口減少とデジタルシフトも相まって実店舗やATMの需要が減少してきているからです。
コストはかかる!でも利用してくれる人も減ってる!じゃあやめよう!ってことですね。
これって、実店舗の多いメガバンクを多く利用していて、インターネットに疎い人からしたらかなり大きなダメージですよね。
利便性が悪くなっているのに、そのサービスにお金を払い続けるっていうのは賢い選択ではないんじゃないかなと思います。
さっきから、メガバンクのことばっかり言ってますけど、メガバンクがダメって言いたいわけじゃなくて使い方の問題です。
これに関しては後段でもう少し詳しく説明しようと思います。
さて、1つ目の「なんで?」理由を解説してきましたが、ざっくりまとめると「銀行の儲けの仕組みから考えて、自分のお金を預金をしているにも関わらず、手数料が割に合わない」という事です。
②比率(%パーセント)で考えるとまさに浪費
2つ目の「なんで」手数料を払ってはいけないかの理由ですが、比率で考えるとものすごく割高だからです。
先ほどの1つ目の理由は仕組みに関するものでしたが、2つ目の理由は数字でわかる視点です。
例えば都市銀行や地方銀行の場合、自社のATMなら時間内の手数料は無料、時間外やコンビニATMは有料というケースが結構あります。
銀行やATMの使用時間によっても違います、手数料は110円や220円のところが多いでしょうか。
つまり、仮に1万円を下ろしたら1.1~2.2%程度、2万円を下ろした場合でも0.55%~1.1%も手数料として払っているという事です。
「そんなの大したことないんじゃ・・」
なんて思った人は要注意です。
これは、株式投資などをやっている人ならわかると思いますが、1%利回りを上げることがどれだけ大変なことか・・・
資産形成を志すのであれば、副業にせよ、投資にせよ、節約にせよ、金額だけでなく%を意識することが非常に大切です。
それをコンビニなどのATMをちゃっと使ってしまう事であっという間に失ってしまうわけです。
「そうは言っても時間内にATMに行くのは・・」
「コンビニATMが便利すぎてついつい・・」
ただこんな感じで使ってしまう人は多いんじゃないでしょうか?
これは、一本70円でお茶を売っているドラッグストアの横のコンビニで140円出してお茶を買うのか?っていう事と似ています。
もちろん、140円出して買う人がいるから成り立っているのですが、なんでコンビニで買う人がいるのかというと「ちょっと面倒だから」なんですよね。
コンビニならどこにお茶が置いてあるか大体すぐにわかりますし、レジまで近いので店舗を歩き回る必要もありません。
ただ、そんな「ちょっと面倒だから」のためにダラダラとお金を払う事、そういう考え方自体が節約とは程遠い位置にあると思います。
手数料を気にしない人は、コンビニで買い物することも、タクシー移動することも、外食に頼りきになることも気にならなくなっちゃうと思いますよ。
手数料に関しても、そんなついちょっとが積み重なって年間にしたら数千円も手数料を支払っていないでしょうか?
ちょっと古い調査なんですが、ソニー銀行が2013年に行った調査でもコンビニATMの一回の引出額の平均は2万3650円、推定されるコンビニATMでの年間手数料(加重平均)は2,952円となっています。
これは、コンビニATMに限った話なので、銀行ATMの時間外手数料、銀行振込手数料を入れたらもっと大きな金額がかかっているという事です。
年間数千円を大きいととらえるか、小さいととらえるかは人それぞれだと思います。
ただ、小さいと考える人でも、金額にしたら少額かもしれませんが、金額に対する%で考えるとかなり大きな出費だと思います。
③払わなくて済む方法があるから
さて、いろいろと理屈付けをしてきましたが、最後にして最大の理由です。
「インフラの維持、サービスの維持に必要な経費です。」というのは一部納得しながらも、「でも無料のところあるじゃん!」っていうのがあるのでやっぱり一回当たり110円とか220円とか高いなーと思うわけです。
つまるところ、払わなくて済む方法があるのだから払う理由はないですよねっていう事です。
今はネット銀行を中心に、顧客の預金残高や口座利用度に応じて手数料無料を打ち出す銀行がとても増えてきました。
この、残高やサービス利用頻度に応じて手数料が安くなるのはすごく合理的だと思います。
そんな銀行を上手く利用すれば、ATM手数料も他行への振込手数料もほとんどゼロに抑えることが可能です。
ゼロではなくほとんどゼロと書いたのは、一部ですが都市銀行やゆうちょ銀行、大手の地銀でなければ受け付けていない振込や引落があるためです。
例えば、家賃の引落や税金のネット振込なんかはそういったケースが多いですよね。
そういったどうしてもネット銀行では難しいケースでは手数料を払わざるを得ないですが、限りなく少なくしていくことは可能です。
僕はメインの銀行として「SBI住信ネット銀行」を利用していますが、楽天銀行やソニー銀行、じぶん銀行などなど多くの銀行で手数料が無料になるようなプランが用意されています。
僕は圧倒的に「SBI住信ネット銀行」が使いやすいのでこちらを使っていますが、自分に合ったも銀行をチョイスして使い勝手の良さと無料の手数料を両立させていきましょう。
銀行の賢い使い方
最後に僕が考える銀行の賢い使い方を紹介して今回の話を終わりにしようと思います。
それは、「使うための銀行、貯めるための銀行を分ける」というものです。
言い換えれば、”使う”銀行はネット銀行、”貯める”銀行はメガバンクという事です。
日々の家計管理やクレジットカードや電子マネーでの支払いはネット銀行で行い、貯蓄するための口座はメガバンクにすれば利便性も安全性も大きく向上すると思います。
いままでさんざんメガバンク使わないって言ってきましたが、普段使いの口座としては使わないという事で、貯蓄用の口座とすればそれはメガバンクが良いと考えています。
銀行が破綻したとしても、預金保険制度によって金融機関ごとに1,000万円までは保護されるものの、当然破綻しやすいリスクの高い銀行にお金を積極的に預けたい人はいませんよね。
メガバンクの大きなメリットというのはその規模の大きさと安全性、安定性にありますから、貯金用としてお金をためていくには良い口座となります。
そして、貯金という視点に立てば「不便である」という事も逆にメリットになります。
普段使いのネットバンクから、貯蓄用のメガバンクに振り込むのは便利でも、逆にメガバンクに貯めているお金をネット銀行に振り込んだり、ATM利用で手数料がかかるので、そこに若干の不便さやハードルが出来る事がミソですね。
さて、今回は僕が考える「銀行に振込手数料・ATM手数料を払ってはいけない理由」について考えてきました。
あたりまえのことではありますが、人間深い理解や納得がないと物事を継続することが難しいものです。
ちょっと迷ったとき、疑問が生まれた時にそれを打ち消すだけの根拠を自分の中に持っていなければついつい浪費してしまいがちです。
倹約・節約を続け資産形成の成功を目指しましょう。
この記事が何かの参考になれば幸い。それでは!